柴犬の呼び戻しを完璧に近づける — ふくとあんで実践した手順

「ふく、おいで!」って呼んで、最初の3年は7割ぐらいしか戻ってきませんでした。柴犬は呼び戻しが苦手な犬種だと言われるのを、身をもって実感した時期です。今は安全圏(ロングリード使用時の田越川河川敷など)ではほぼ100%戻ってくるようになっています。完璧ではないですが、私が試してきた手順をまとめます。

大前提:柴犬のノーリードは推奨しない

最初に書いておくと、私はふくとあんを公道や囲われていない場所でノーリードにしたことは一度もありません。この記事の「呼び戻し」は、あくまで万が一リードが手から離れた時の保険、もしくはロングリード使用時に届く範囲で戻ってもらうためのものです。柴犬は遺伝的に独立心が強く、外で集中力が外れると飼い主の声よりも周囲の刺激を優先しがちです。

獣医にも「柴犬のノーリード散歩は事故率が高い」と言われていて、それは私も完全同意です。

ふくは「待て」だけ完璧、呼び戻しは苦手

ふくは6歳の今でも、ごはんの前の「待て」は10分でもできます。でも呼び戻しは、興味があるものを見つけた時はガン無視。これが2年前まで普通でした。

逆にあん(2歳・オス・社交的)は最初から呼び戻しが得意で、人懐こい性格そのままに、呼べばほぼ来ます。犬種より個体差が大きいと痛感しました。

ステップ1:家の中で「名前=楽しい」の刷り込み

最初の2週間は、家の中だけで練習します。

  • ふくがどこにいても「ふく!」と呼ぶ
  • 戻ってきたら(あるいはこちらを見たら)即座におやつ
  • 「来なかったから怒る」は絶対にやらない

このフェーズで最重要なのは、**「名前を呼ばれる=必ずいいことが起きる」**を100%守ること。例えば爪切りやシャンプーなど嫌なことをする時に名前を呼ぶのは絶対にダメ。私は最初これをやってしまっていて、ふくが「呼ばれる=何かやられる」と学習してしまっていました。

ステップ2:おやつのグレードを上げる

家の中ではドライフードでも来ましたが、外では絶対に来ません。「もっといいもの」が必要です。

うちでは無添加のさつまいもジャーキーを「呼び戻しトレ用」に確保しています。普段は出さない特別なやつで、これは強い。ふくでも来ます。ポイントは、これを呼び戻し以外で出さないこと。日常のおやつと混ぜて使うと特別感が薄れて効きが弱くなります。

ステップ3:庭・玄関先など狭い屋外

家の中で完璧になったら、外の刺激が少ない場所で練習。うちはマンションの共用通路(早朝で誰もいない時間帯)から始めました。

距離は最初2m、慣れてきたら5m。リードはつけたまま。呼んで来たら必ず特別おやつ。ここでも、来なかった時に怒鳴ったり追いかけたりしない。来なかったら静かに距離を縮めて、近くで成功させてからまた離れる。

ステップ4:ロングリードで河川敷

田越川沿いの広い河川敷で、5mのロングリード使用。これが本番練習でした。

リードの中間にもハンドルがあるダブルハンドルタイプを使っています。理由は、呼び戻しが効かなかった時に短く持ち直して安全確保できるから。ロングリードを使う時は、最悪のケース(突然他犬や子供が来た時など)に瞬時に距離を詰められる装備が必須です。

このフェーズで初めて、ふくが「呼んでも来ない時」を再現できました。家の中ではうまくいくのに、外の匂いに夢中になっている時はノーリアクション。この「失敗」を見て初めて、何が足りないかが分かるので、ロングリード環境はすごく大事です。

ステップ5:失敗の原因を細分化する

ふくが来なかった時、原因は大体3つでした。

  1. 特別おやつより魅力的なものがある(鳥の死骸、他犬の匂い、子どもの食べこぼし)→ もはや勝てない、強制で連れ戻す
  2. 私の声が聞こえていない(風向き、距離が遠すぎる)→ 距離を詰めて再挑戦
  3. 「来たくない」がデフォルト(散歩終わり間際の「もう帰る」シグナル)→ 散歩終了タイミングだと察すると来ない

3番目は意外な発見でした。「もう帰るよ」のタイミングで呼ぶと、ふくは「来たら散歩終わり=損」と計算しているらしく、来ません。それからは、散歩中に何度も呼んで→おやつ→また自由に、を繰り返すようにしました。呼び戻し=散歩終了、にしないのが鍵です。

フードそのものを見直したら集中力が変わった

これは少し意外な発見だったんですが、ふくのドッグフードを見直したタイミングで、トレーニング中の集中力が体感で上がりました。

栄養バランスがいいフードに変えてから、散歩中のテンションの上下が穏やかになった気がします。「気分でしか動かない」が「呼ばれたら反応する」に変わったような感触で、これは数値化できないですが体感としてはあります。

あんの呼び戻しは違う方法だった

社交的なあんの場合、おやつより「私が走り去るふり」の方が効きました。「ふくと私だけで先に行っちゃうよ!」のフリをすると全速力で追いかけてきます。

犬の性格に合わせて方法を変えるのは大事。ふくにはこれが効きません(むしろ「あ、勝手に行くんだ」で済まされる)。

やってはいけなかったこと

  • 来ない時に追いかける:犬は鬼ごっこと認識して逃げ続ける
  • 来た時に怒る(戻ったあとに「なんで来なかったの!」と叱る):「呼ばれて行ったら怒られる」を学習する
  • 呼び方が毎回違う(「ふく」「ふくちゃん」「ふくちゃん来て」):定型コマンドに統一すべきだった

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まとめ

  • 柴犬のノーリードは推奨しない(保険としての呼び戻し)
  • 「名前=楽しい」の刷り込みを家の中で徹底
  • 特別おやつは呼び戻し専用にする
  • ロングリードで本番環境の失敗を見るのが重要
  • 散歩終了直前だけで呼ばない(来ない原因になる)

繰り返しですが、私は獣医でもトレーナーでもないので、呼び戻しが完全に効かなくて事故リスクが高い場合は、必ずプロに相談してください。逗子市内にも出張トレーナーさんが何人かいて、ふくも一度個別レッスンを受けたことがあります。1時間でも、自己流で半年悩むより速いです。

この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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