犬の体重管理と肥満防止——ふくとあんで実践している体型チェックの話

ふくが4歳を過ぎたころ、かかりつけの獣医師に「少し体重が増えてきましたね」と言われました。見た目ではわからなかったのですが、触ってみると確かに肋骨が前ほどはっきり感じられない。柴犬は被毛が厚くて体型が見えにくいぶん、太ってからでないと気づけないことがあります。それから体型のチェック方法を意識するようになりました。

犬の肥満は気づきにくい

犬の体型を「目で見る」のは難しいです。特に柴犬のようなダブルコートの犬は、毛量で判断が狂います。「丸くなってきた気がする」と感じる頃には、すでに理想体重を超えていることがあります。

そのために使うのが**BCS(ボディコンディションスコア)**です。1〜9のスケールで体型を評価する方法で、触診と視診を組み合わせます。家でも確認できます。

BCSスコア状態触ってみると
1〜3痩せ気味肋骨・脊椎が皮膚越しに見える、触るとすぐに当たる
4〜5理想体型肋骨を軽く押すと感じられる、腰のくびれがある
6〜7太り気味肋骨が脂肪に覆われて触りにくい、腰のくびれが薄い
8〜9肥満肋骨が触れない、腹部が垂れている

BCS 4〜5が理想です。毎月体重計に乗せるのが正確ですが、自宅に大型の体重計がなければ「自分が抱っこして乗った体重から自分の体重を引く」方法でも把握できます。

肥満が犬にもたらすリスク

太りすぎは見た目の問題だけではありません。

  • 関節への負担増加——体重が1kg増えると、関節への負荷は数倍に増えると言われています。ダックスフンドやコーギーのように脊椎疾患リスクがある犬種では特に注意が必要です
  • 心肺機能の低下——動きが鈍くなる、すぐ疲れるといった変化は、心臓・肺への負担増のサインです
  • 糖尿病・膵炎のリスク——犬も肥満が続くとインスリン抵抗性が上がり、糖尿病につながることがあります
  • 麻酔リスクの上昇——手術が必要になったとき、肥満は麻酔のリスク因子になります

ふくの場合は関節疾患ではなく、「疲れやすくなった」のが気になったのがきっかけでした。散歩の後半で明らかに足取りが重くなるようになって、体重を落としたらまた元気が戻りました。

カロリーの考え方

市販のドッグフードの袋には「〇〇gを1日2回」と書かれていますが、あれは目安であって、その犬の活動量・体型・年齢に合わせた最適量ではありません。

基本的な考え方:

  1. RER(安静時エネルギー要求量) = 体重(kg)の0.75乗 × 70(kcal)
  2. DER(1日のエネルギー要求量) = RER × 係数(去勢済み成犬:1.6、未去勢成犬:1.8、シニア:1.4)

計算が難しければ、「現在の給与量を10〜20%減らして、2〜3週間後に体重を測る」という方法でも実用的に管理できます。体重が減らなければもう少し減らす、減りすぎていれば戻す、というサイクルで調整します。

おやつのカロリーも忘れずにカウントしてください。おやつで1日のカロリーを20〜30%使い切ってしまい、フードを減らせないケースがよくあります。

早食いが肥満につながる理由

ふくは出てきたフードをほぼ一口で飲み込もうとします。柴犬に限らず、早食いの犬は満腹感を感じにくく、胃拡張のリスクもあります。

食べるスピードを落とすと、満腹信号が追いつくようになります。そこで有効なのがスローフィーダーボウルです。

うちでは食事の都度スローフィーダーを使っています。最初は「なんで食べにくいんだ」という顔をしていましたが、慣れると問題なく使っています。食事時間が2〜3倍に延び、食後のぐったりが少なくなりました。

運動量で調整する考え方の落とし穴

「運動を増やせばいい」と思いがちですが、消費カロリーを食事管理だけで補うのは難しいです。犬が体重を1kg減らすのに必要な消費カロリーは約7000kcal。散歩30分で消費するカロリーは犬の体重にもよりますが100〜150kcal程度なので、運動だけで落とそうとすると非常に長期になります。

運動は体力維持・筋肉量維持のために続けるべきですが、体重管理の主役は食事量の調整です。


体重管理で一番大事なのは、変化に気づく習慣を持つことです。月1回の体重測定、月1回のBCS確認、それだけで「太ってきた」を早期に発見できます。ふくは今も月に一度体重を測っていますが、これだけで大きく太ることなく管理できています。

この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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タグ: #体重管理#肥満#BCS#食事#健康