フローリングで犬の関節を守る5つの対策——段差・滑りが積み重なるダメージになる前に

フローリングって、犬にとってどれくらい危ないんだろう——ふくが3歳を過ぎたあたりから、私が気にし始めたことのひとつです。

もともと我が家のリビングは全面フローリング。ふくは小さいころからそこで走り回っていて、特に問題はないと思っていました。でも、あんを迎えた後に獣医さんから「フローリングでの繰り返しの滑りは、関節に蓄積するダメージになりやすい」という話を聞いて、慌てて見直した記憶があります。

目に見えるケガじゃないから気づきにくいんですよね。でも積み重なってから後悔するのも嫌で、できることをひとつずつ取り入れてきました。

なぜフローリングが関節に悪いのか

犬の足は人間と違って、爪が常に地面に接触しています。フローリングは爪が引っかかりにくく、踏ん張るときに力が逃げます。この「踏ん張り損」が、膝・股関節・腰への余計な負荷になります。

特に注意が必要な瞬間は3つあります。

ソファや段差から飛び降りるとき。着地の瞬間に衝撃が関節に集中します。体重が重い大型犬ほどこの衝撃は大きくなります。

走り始めの瞬間。後ろ足で蹴り出すときにフローリングで滑ると、腰や背骨にねじれが加わります。

おすわり・伏せを繰り返す練習。しつけのトレーニング中に硬い床でこれを繰り返すと、膝への負担が大きくなります。

この「小さな衝撃の繰り返し」が積み重なると、特に小型犬では膝蓋骨脱臼(パテラ)、大型犬では股関節形成不全の悪化、ダックスフンドや胴長の犬種では椎間板へのダメージにつながることがあります。

対策1 ジョイントマットでフローリングをカバーする

効果が高くてすぐできる、一番のおすすめです。

犬がよく過ごす場所から優先して敷きます。くつろぎエリア・食事場所・遊び場の三か所をカバーするだけで、日常的な滑りはかなり減ります。

我が家はリビングのほぼ全面をEVA素材のジョイントマットでカバーしました。最初は見た目が気になりましたが、今は「これで正解だった」と思っています。

選ぶときのポイントは厚さ1cm以上のもの。薄いと衝撃吸収効果が落ちます。EVA素材は水拭きできるので、粗相があっても拭けるし、夏もそれほど熱くなりません。

対策2 スロープで段差の衝撃をゼロにする

うちでよくあったのが「ソファへの飛び乗り・飛び降り」問題。特にあん(2歳・オス・体格大きめ)は飛び降りるときに床にドスンと響く着地音をたてていました。

スロープを導入すると着地衝撃がほぼゼロになります。ただ、最初は嫌がる子も多いです。おやつで誘導しながら「このスロープを使う=おやつが出る」という連想をつくるのがコツ。

ふくはすぐ使えましたが、あんは3日ほどかかりました。今は自然に使っています。

傾斜はゆるすぎず・急すぎないものを選ぶことが大事です。急だと逆に滑りやすくなり意味がなくなります。

対策3 体重管理で関節への日々の負荷を減らす

関節への負担は「体重 × 運動量」で決まります。少し太るだけで、歩くたびの関節への負荷が増え続けます。

特に避妊・去勢手術後は太りやすくなります。ふくも手術後の1年間で少し太りました(今は適正体重に戻っています)。

毎日の食事量・おやつの内容・散歩の質を見直すことが、長い目で見ると一番の関節ケアです。体重のことは体重管理の記事でも書きましたが、関節のためにも同じように重要です。

対策4 シニア期前後から関節ケアサプリを検討する

グルコサミンとコンドロイチンは、関節軟骨の材料となる成分です。シニア前(犬種によって異なりますが、大型犬なら5〜6歳、小型犬なら7〜8歳ごろ)から補給を始めることで、軟骨の消耗を緩やかにする可能性があるとされています。

ただし、サプリで関節が「修復される」わけではありません。あくまで「消耗を遅らせるかもしれない補助」として考えてください。

うちはふく(6歳)に始めようか検討中で、獣医さんに相談したら「害はないし、今ぐらいから始めてもいいですよ」と言われました。始めるかどうかより、まず主治医に一言相談するのが一番です。

対策5 定期的に「動き方」を観察する

最後に、一番地味だけど一番大事なこと。

犬自身は関節が痛くても言えません。飼い主が変化に気づくしかない。日常でチェックしておきたいポイントがいくつかあります。

立ち上がりに「ためらい」が出てきた。朝、声をかけたときの起き上がり方に時間がかかるようになったら、関節の不快感のサインかもしれません。

散歩に出るのを嫌がる日が増えた。以前は飛び出してきたのに、玄関で止まるようになった場合は要注意です。

階段を上がる速度が落ちた。我が家は3階建てで、ふくはずっと私の先を駆け上がっています。この「先に行く動作」がなくなるときが、最初のサインになると思って観察しています。

「老化だから仕方ない」と流す前に、一度獣医さんに相談することをおすすめします。早めの相談は早めの対処につながります。

よくある質問


我が家ではジョイントマット導入とスロープ設置を同時にやったのですが、あんの着地音が変わったのがすぐわかりました。大きな変化というより「ドスン」が「トン」になった、という感じ。それだけでも毎日積み重なると違うはずだと思っています。

完璧にやろうとすると大変ですが、一か所からでも始めてみてください。関節のダメージは「気づいたときにはもう遅い」が多いので、元気なうちに環境を整えておくのが一番です。

この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

→ サイトについて詳しく

本ページにはアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイト等)が含まれます。 リンク経由のご購入で運営者に紹介料が入る場合があります。 健康・しつけに関する情報は一般的な参考情報です。個別の判断はかかりつけの獣医師にご相談ください。

タグ: #関節ケア#室内環境#フローリング#全犬種#シニア前ケア