引っ張り返しの正しいタイミング — 柴犬2頭の散歩で学んだこと
「リード引っ張られすぎて手首が痛い…」これ、柴犬を飼って最初の1年で誰もが通る道じゃないでしょうか。あんが1歳の頃、田越川沿いの散歩で本当に苦労しました。試行錯誤の末に「引っ張り返し」というテクニックにたどり着いたんですが、これ、タイミングを間違えると逆効果だと身を持って学びました。
獣医ではないし、ドッグトレーナーでもないので「これが正解」とは言えませんが、ふくとあんの2頭で実践して効果があった引っ張り返しのタイミングをまとめます。同じ悩みの方の参考になれば嬉しいです。
引っ張り返しとは何か
簡単に言うと、犬がリードを引っ張った瞬間に、飼い主が逆方向に短く軽くリードを返す動作です。「引っ張ったらこっちに戻される」ということを覚えてもらうのが目的。
ただし、よく誤解されるのが**「強く引く」「ガクッと首にショックを与える」のは絶対NGということ。これは虐待になりますし、首を痛める原因になります。あくまで短く・軽く・優しく**が原則です。
道具を整える:リードと首輪が9割
引っ張り返しの前に、まず道具を見直してください。我が家もここでだいぶ変わりました。
引っ張り対策のフロントクリップ式ハーネス。胸の前にリード接続部があるので、引っ張ると自然に体の向きが変わる仕組みになっています。あんが激しく引っ張る時期は、これだけで体感30%引っ張りが減りました。注意点としては、サイズ調整がシビア。緩いと脇に擦れて毛が抜けるので、最初は毎日チェックしました。
リードはダブルハンドルがおすすめ。引っ張り返しの瞬間に手元の補助ハンドルでサッと短く持てるから、タイミングが合わせやすいです。フレキシリード(伸縮式)では引っ張り返しはほぼ不可能なので、固定長の1〜1.5mリードを選んでください。
タイミング1:引っ張り始めた瞬間(ベスト)
これが一番大事。犬が引っ張り始めた最初の0.5秒以内に短く軽く返すのが理想です。完全に引っ張り切ってからではもう遅い。犬は「引っ張ったら進める」と学習してしまっています。
最初は反応が間に合わないと思いますが、慣れると体が勝手に動くようになります。コツは、リードを持つ手の感覚を常に意識しておくこと。スマホを見ながらの散歩は無理です。
タイミング2:引っ張る前の「予兆」を捉える(理想)
これは上級編です。柴犬は引っ張る前に耳を立てる・鼻を地面につける・体重を前にかけるといった予兆を見せます。この予兆の段階で名前を呼んで意識をこちらに向けるのが、最高のタイミング。
あんの場合、地面に鼻を近づけた瞬間に「あん!」と呼ぶと、ハッとして顔を上げます。そこで褒める。これを繰り返したら、引っ張りそのものが減りました。
タイミング3:他犬・人を見つけた時(個別対応)
他の犬や知らない人を見つけて興奮している時は、通常の引っ張り返しでは効きません。この時はコースを変える・距離を取るのが先決。興奮状態の犬にコマンドは入りません。
我が家は田越川沿いで他の犬とすれ違う時、5m手前で止まって座らせる、というルールにしています。興奮する前に止まるのがコツ。これだけで引っ張り返しの出番が減りました。
やってはいけないタイミング
逆効果になるタイミングも書いておきます。
- 引っ張り切った後に強く引く:ただの罰になり、首を痛めるだけ
- 散歩開始直後の興奮状態:まずエネルギーを少し発散させてからの方が効きます
- 怖がっている時:恐怖で引っ張っている時に引っ張り返すと、恐怖を強化します
- おしっこ・うんちのタイミング:これは生理現象なので止めるのは酷です
引っ張り返しだけでは解決しない時
正直に書きますが、引っ張り返しだけで完全に解決しない子もいます。あんも、最初の半年は引っ張り返しでは追いつかないレベルでした。原因を探ったら、運動量が足りていなかったことが分かりました。
体力が有り余っている柴犬は、リードでコントロールしようとしても物理的に無理です。エネルギーを発散させる工夫が並行して必要でした。
フード面のサポートも意外と効いた話を1つ。
体調・栄養・運動・しつけの4本柱で考えると、引っ張り癖って単独では解決できないんだと気付かされました。
1ヶ月続けて変わったこと
我が家のケースですが、引っ張り返しを正しいタイミングで1ヶ月続けたら以下のような変化がありました:
- リードがピンと張る時間が散歩全体の30% → 10%以下に
- 私の手首の痛みがなくなった
- あんが私の歩く速度に合わせるようになった
- 信号待ちで自分から座るようになった(これは予想外でした)
ただ、3歳を過ぎたあたりからまた少しずつ引っ張りが復活することも。マンネリ化しないよう、定期的にトレーニング時間を取り直しています。
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まとめ
- 道具(ハーネス・リード)選びが基本にして9割
- 引っ張り始めた瞬間に短く軽く返すのがベストタイミング
- 予兆段階で意識をこちらに向けられたら理想
- 他犬・興奮時は引っ張り返しではなく距離を取る
- 強く引く・恐怖時の引っ張り返しは厳禁
- 運動量・体調管理と並行して取り組む
繰り返しになりますが、私は獣医ではないので、強い引っ張り癖や首の痛がる仕草が出ている場合は、必ずかかりつけ医やドッグトレーナーに相談してください。柴犬は引っ張り犬種だと言われますが、根気よく続ければ必ず変わります。我が家も2年かかりました。焦らずいきましょう。
この記事を書いている人
久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。
柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。
柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。
タグ: #引っ張り#リード#あんの記録#ふくの記録