警戒吠えと要求吠えの見分け方 — ふくの吠え分類メモ
「柴犬の吠えがうるさくて、近所迷惑になっていないか心配」。これは、私自身がふくを迎えてから1年くらいずっと抱えていた悩みでした。逗子のマンションで隣人が引っ越してきた時、最初に謝りに行ったほどです。でも6年経った今、ふくの吠えは月に数回まで減りました。
決定打になったのは、「吠えには種類がある」と気づいたことでした。同じ「ワンワン!」に聞こえても、原因が違えば対処も違う。逆に、対処を間違えると吠えが強化されてしまうことすらあります。この記事は、私がふくの吠えを6年観察してきた素人観察メモです。獣医でもトレーナーでもないので、参考程度に読んでください。
ふくの吠えは大きく2種類
私が観察してきた限り、ふくの吠えには大きく2種類あります。
- 警戒吠え: 知らない人・音・気配に対する「あぶないぞ!」の吠え
- 要求吠え: 「散歩行きたい」「ごはん早く」「遊んで」という要求の吠え
この2つは、対処法が正反対です。だから見分けるのが大事なんです。
警戒吠えの特徴
ふくの警戒吠えは、こんな感じです。
- 声が低い(ワン、というよりウォン)
- 連続して吠える(5〜10回続けて)
- 耳が後ろに倒れていることが多い
- しっぽが下がっているか、巻きが浅い
- 玄関のチャイム・宅配の音・知らない人の足音で発動
これは「侵入者が来た!」と犬が判断している状態です。柴犬は番犬気質が強い犬種なので、警戒吠えはほぼ本能だと思っています。
警戒吠えへの対処
警戒吠えは「叱る」と逆効果になりがちです。ふくの場合、「うるさい!」と叱ると、「飼い主も一緒に吠えてくれた→やっぱり敵が来てるんだ」と判断したように見えました。吠えが強まったんです。
近所の柴犬コミュニティで先輩飼い主さんに教わったのは、「警戒吠えには『大丈夫だよ』と落ち着いた声で言って、犬の意識を切り替える」という方法でした。私の場合、ふくが吠え始めたら、なるべく低めの声で「だいじょーぶ」と言って、ふくの目を見ながらケージへ誘導します。これを半年続けたら、吠えの長さが明らかに短くなりました。
要求吠えの特徴
要求吠えはこんな感じです。
- 声が高い(キャン、キャン)
- 間が空く(吠えて、こちらを見て、また吠えて)
- しっぽは普通か、振っていることもある
- 耳は前向き
- 散歩の前・食事の前・遊びたい時に発動
「これをして!」というアピールです。ふくよりも、妹のあんの方が要求吠えが多いです。あんは社交的で要求もはっきりしているタイプで、ふくは要求吠えはほとんどありません。
要求吠えへの対処
要求吠えは、警戒吠えと違って「応えると強化される」タイプです。あんが「散歩行こうよ!」と要求吠えしている時にすぐリードを持つと、「吠えれば散歩に連れて行ってもらえる」と学習してしまいます。
私がやっているのは、「要求吠えしている間は何もしない」だけです。あんが吠え終わって静かになって、5秒くらい経ってからリードを持つ。これを徹底すると、徐々に「吠えても無駄」と学習します。あんの場合、3ヶ月くらいで要求吠えがほぼ消えました。
散歩中の警戒吠えを減らした道具
警戒吠えで一番困ったのは、散歩中に他の犬とすれ違う時の吠えでした。リードが伸びていると、ふくが相手の犬に近づこうとして吠える。短く持つと、私の腕が疲れる。これを解決したのが、ダブルハンドル型のリードでした。
通常位置と首元近くの2箇所にグリップがあるタイプで、すれ違いのときだけサッと短く持てます。これがあると、私が体勢を崩さずにふくとの距離を詰められるので、ふくも私が落ち着いていることを感じ取って、警戒吠えが減りました。犬の警戒吠えは、飼い主の不安が伝染している部分もあるんだと思います。
来客時の吠えを減らすご褒美
警戒吠えを抑える練習の時、ご褒美におやつを使いました。
無添加のさつまいもジャーキーで、ふくが「待て」をできた時のご褒美に使っています。塩分が入っていないので毎日少量なら問題ないと近所の獣医さんに聞きました。ただし、おやつだけで吠えが消えるわけではないので、これは「警戒吠えを我慢できた瞬間に、すぐ褒める」という条件付け用です。
見分けが難しいケース
正直に言うと、警戒吠えと要求吠えの境目が曖昧なこともあります。例えば、玄関のチャイムが鳴った時、ふくは警戒吠えなんですが、その後で「来客にも吠えると褒められる」と思って吠え続けることがあります。最初は警戒、途中から要求、みたいなグラデーションです。
こういう時は、最初の数秒(警戒)には「だいじょーぶ」、その後(要求になっていそう)には完全無視を切り替えます。これも、6年やってきて何となく分かってきた感覚で、最初から完璧にはできませんでした。
やってしまった失敗
- 吠え=叱る、で1年無駄にした: 警戒も要求も全部「うるさい」と叱っていたので、どちらの吠えも改善しませんでした。
- しつけ用のスプレーを試した: 通販で買ったしつけスプレーをふくに使ったら、ふくは私を警戒するようになりました。3,000円損したし、2週間ぐらい関係修復に時間がかかりました。
- 「吠え=ストレス」と決めつけた: 散歩を増やせば吠えなくなると思って、朝晩2時間ずつ散歩したら、ふくが疲れすぎて逆に夜鳴きが増えました。運動量と吠えは単純な反比例ではないみたいです。
まとめ
- 柴犬の吠えには「警戒」と「要求」がある(少なくとも2種類)
- 警戒吠え=低い声・連続・耳が倒れる/要求吠え=高い声・間がある・耳が前向き
- 警戒吠えは「叱る」と逆効果。落ち着いた声で意識を切り替える
- 要求吠えは「応えない」が基本。吠え終わってから対応する
- 道具(リード)は警戒吠えを減らす補助になる
ただ、これは私が6年観察してきたふくの場合の話です。吠えが激しすぎる、夜中に止まらない、近所からクレームが来るレベルなら、私のような素人観察ではなく、必ずかかりつけの獣医や柴犬経験のあるドッグトレーナーに相談してください。私は獣医ではないので、必ず専門家の助言を仰いでください。
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この記事を書いている人
久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。
柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。
柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。
タグ: #吠え#警戒#要求#行動