子犬の咬みつき癖を直す — ふくが半年で落ち着いた経緯

「柴犬の子犬って、こんなに噛むんだ」。ふくを迎えた最初の3ヶ月、私は毎日この言葉をつぶやいていました。リードに手を伸ばすと唸り、抱き上げようとすると指の付け根に歯が刺さる。生後3ヶ月の子犬の歯って、思った以上に鋭いんです。

この記事は、咬みつき癖に悩む柴犬の飼い主さんに向けて、私がふくの場合にやってみてうまくいったこと・うまくいかなかったことを、時系列でまとめたものです。獣医師でもトレーナーでもないので、「正解」を提示するつもりはありません。あくまで一例として読んでください。

最初に知ってほしい3つのこと

うちのふくが生後3〜6ヶ月の頃、私が「もっと早く知っていたら」と思ったことが3つあります。

  1. 子犬の咬みつきには「歯が痒い」「興奮」「警戒」「序列確認」の4種類がある。原因によって対処が違う。
  2. 「痛い!」と大声で叱ると逆効果のことがある。興奮型の咬みつきはむしろ加速する。
  3. 柴犬は「序列確認」型の咬みつきが多い。これが洋犬向けのしつけ本だと載っていない。

特に3つ目は、ふくの咬みつきが治まらなかった理由そのものでした。

ふくの咬みつきが落ち着くまでの時系列

生後3〜4ヶ月:何をやっても噛まれる時期

ペットショップから迎えた当日から、リードを引くと唸って噛んできました。最初は「歯が痒いんだろう」と思って、ペットショップで薦められたおもちゃ5点セット(3,000円ぐらい)を全部出したんですが、ふくは1つも興味を示しませんでした。柴犬はおもちゃで遊ばない子が多いと知ったのは後日です。

この時期、ネットで調べた「痛いって叫ぶ」「無視する」を試したんですが、ふくの場合はむしろ興奮して噛みが強くなるだけでした。

生後5ヶ月:プロのトレーナーに相談するも

近所のドッグトレーナーに相談したところ、「柴犬は難しいですよ」と言われました。具体的なアドバイスは「叱るより褒めて」だったんですが、それで治るなら最初から悩んでいません。当時の私は途方に暮れていました。

この頃、ふくは知らない人が触ると噛もうとするようになり、散歩で他人とすれ違うのが怖くなっていました。

生後6ヶ月の転機:序列認識の話を聞く

近所の柴犬コミュニティのSNSグループで、6歳柴を飼う先輩飼い主さんに話を聞いたとき、「柴犬の咬みつきは、序列を確認しているサインのことが多い」と教わりました。「自分が上か下か、毎日確認してくる犬種なんですよ」と。

それを聞いて私は、自分の家での振る舞いを見直しました。

  • ふくが寝ている場所をまたいで通る → やめて、ふくを呼んで移動させる
  • ふくが先に食事を始める → 必ず家族全員が食べ始めてからふくに与える
  • ふくがソファで寝ている → 抱き上げて床に下ろす
  • リードは「行きたい方向」ではなく「私が決めた方向」へ歩かせる

正直、最初は「躾けって、こんなに強気に出るものなの?」と戸惑いました。でも、これを1ヶ月続けたところ、ふくの攻撃的な咬みつきは劇的に減りました。

道具で改善したこと

イージーウォーク ハーネスで散歩中の噛みが減った

散歩中の引っ張りと、それに伴う興奮咬みつきには、ハーネスの種類を変えたのが効きました。

胸の前にリード接続点があるタイプで、引っ張ると体が自然に横を向く構造です。これに変えてからは、興奮で振り返って噛むことがほとんど無くなりました。サイズ選びは小さめが正解でした(最初に大きめを買って失敗したので念のため)。

ダブルハンドル リードで「距離」を物理的に管理

警戒咬みつきには、リードの距離管理が効きました。

通常のリード位置と、首元近くの2箇所にグリップがあって、すれ違いで距離を詰める時はサッと短く持てます。これがあると、私の体勢が安定するので、ふくも安心してすれ違えるようになりました。

やってしまった失敗

正直に言うと、私はかなり遠回りをしました。

  1. 痛みで反応しすぎた: 噛まれた瞬間に大声で「いたーーい!」と叫んで、それをふくが「興奮ゲーム」と認識してしまった。
  2. おもちゃで気を逸らそうとした: 柴犬はおもちゃで遊ばない子が多いことを知らず、3,000円分のおもちゃが無駄になった。
  3. トレーナーに頼りすぎた: 「柴犬は難しい」で諦められて、自分で飼い主コミュニティに行き着くまで2ヶ月かかった。

これから柴犬を迎える方には、最初から柴犬を飼っている先輩飼い主さんに相談するのをおすすめします。洋犬向けの本やトレーナーと、柴犬特有の問題は、そもそも前提が違います。

「治った」とは言えないけれど

ふくの咬みつきは生後6ヶ月で大幅に減り、現在6歳ではほぼゼロです。でも、完全に治ったかと言われると微妙です。今でも、知らない人がいきなり頭を撫でようとすると、口を寄せる素振りはあります。柴犬の警戒心の強さは、たぶん完全には消えない性質なんだと思っています。

だから、「咬みつきがゼロになった!」というゴールではなく、「咬みつきと付き合える関係を作る」のがゴールなんじゃないかと、6年経った今は思っています。

まとめ

  • 柴犬の咬みつきには「序列確認型」が多く、洋犬向けのしつけ法では効きにくい
  • 生後6ヶ月までの「主人と認識させる環境作り」が分かれ目
  • 道具(ハーネス・リード)の見直しで、興奮型・警戒型の咬みつきは減らせる
  • 最初から柴犬経験のある飼い主に相談すると、回り道が減る

獣医師ではないので、咬みつきが激しくて出血を伴うレベルだったり、家族外の人を本気で攻撃するような場合は、必ずかかりつけの獣医さんと、できれば柴犬経験のあるドッグトレーナーに相談してください。

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この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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タグ: #咬みつき#子犬#しつけ